一気に書き上げる時間と体力がないので少しずつ更新します。
昨年はブースごとに書いていったのですが、
今回はいくつかピックアップする方向にしたいと思います。
写真は自前のものかAvcatさんのもの(転載可)を使うかも。
(注意1)
速度を優先しています。
価格などは色々違うかもしれません。
(注意2)
私は小音量派で、室内楽や声楽やボーカルをよく聴いて、パッシブプリ派です。
聴いているポイントが他の方と大きく異なります。
話半分で読んで頂ければと思います。
#2016-1003修正
視聴していないブースを間違っていたので修正。
(TAOCではなくFOXTEXでした)
MagicoとPanasonicを追加しました。
一部内容を修正しました。
・14万のMCカードリッジ->昇圧トランス、でした。
#2016-1004修正
ラックスマンの内容を修正
後もうちょっと追加編集する予定です。
記事の目次
昨年、2015年の雑感はこちら
昨年は、うん、いろいろ酷かったです。
今年は昨年よりよくなっていた印象です。
私の言う音の色について
初見の方に誤解されてしまうので再掲します。
私の言う『色が薄い』というのは、脚色が少ないという意味ではなく、
表現できている音色の数が少ない、色彩感が弱い、
色数が少ない、音色のコントラスト比が低いという意味です。
あとはこちらの記事を読んで頂ければ。
「色」の使い方が他の方と違います。
同じ使い方をしろよと言われましても、
色の有無で識別している以上、色としか言えません。
全体の印象をざっくりと
聴けなかったブースはFOSTEXと太陽インターナショナルですが、
他は全て聞いてきました。ただ、展示されていた全てのスピーカーを
聴いた訳ではありません。
今回はアナログ音源を使うブースが非常に多かったです。
そして、圧倒的にデジタルの音質がよくなかったです。
ステラ&ゼファンでデジタルが聞ければまた別だったのでしょうが。
(ここは先日の試聴会でアナログもデジタルもよかったです)
そして、嫌な対比もいろいろと
音楽をかけることを優先する外国人のプレゼンと、
薀蓄ばかりで音楽の時間が短い日本人のプレゼン
妄想オーディオはもう止めましょうよ・・・。
なお、音楽をかける時間を増やした日本人の方のブースは
例外なく音質がよかったこともお伝えしておきます。
国産スピーカーのどうしようもなさと
欧米スピーカーの音楽性の高さと
私は今のデジタルの音と日本の音を否定していますが、
今のデジタルの音を肯定しつつも日本の音を否定されている方は
結構多くいらっしゃるように見受けられます。
それなのに何故こうも酷い機材しか生まれないのでしょう。
音の違いが分かる人が今のオーディオメーカーに一人で乗り込んでも
他の人から総スカンを食らうから変えられないのでしょうか。
日本では実質的に一人で作った製品からしか優秀な機材が生まれてこない、
つまり大きめな会社はほぼ全滅というこの閉塞感、何とも日本っぽい。
音がよかったブース
音楽の核が表現できていたブースです。
エイ・アンド・エム(レコード)
ブースの写真はこちら
http://www.catbank.jp/event/2016/ias2/am/index.html
・38万のプリ
・14万の昇圧トランス
・88万の真空管アンプ
TIASとは思えない比較的現実的な価格帯の製品で
狭い部屋なのに音楽性の高い素晴らしい音が出ていました。
ま、レコードプレイヤーは250万なのですが。
私のよく分からないジャズの音源でも足を止めて聴いてしまう、
音楽性の高い音というのはそういう音のことを言うのだと思います。
AIRTIGHTの製品は店頭で聞いたことがなかったのですが、
これだけの音が出る製品が埋もれるのは勿体無いと思います。
アークジョイア(CD、レコード)
ブースの写真はこちら
http://www.catbank.jp/event/2016/ias2/ark/index.html
フランコ・セルブリンのKtema(クテマ)とVoxativのプリメイン
アンプの時間の時に入って、どうにも私のシステムに似たいい音が
するなと思って会社の人に構成を聞いたら、ダニエルヘルツのM5Lと
Bespoke Audioのパッシブプリで鳴らしてるとのこと。
Bespoke Audioのパッシブプリは以前紹介しています。
なお、重量が14kgもあってびっくりしました。
今回聞いたホテルカリフォルニアライブ版は、
今までの視聴イベントで聞いたものの中で
一番心に響く音が出ていました。
で、私のシステムに音が似ているというのなら、
それはパッシブプリの寄与度が大きいということで。
私の切望する細かい音が出る上に、中低域が力強く滲みなく
軽く音の色もよく、澄んでいて鮮度が高く音が跳ねて踊る、
そんな音はパッシブでしか出せません。
左右のスピーカーの音波の波が重なってグラデーションを
描く様は、他ではなかなか聴けないと思います。
CDでもレコードでも音の傾向は同じでした。
デジタル音源で心に響く音が出ていた唯一のブースでした。
爆音で聴かないなら圧倒的だと思います。
お値段も170万円となかなかですけれど。
ただ、問題もあって
最後に音質がいいという触れ込みで再生した宇多田ヒカルの
Fantomeより「花束を君に」(CD)これがあまりに酷かった。
そして、この曲は私のシステムでも酷い音で鳴ります。
この曲はよく聴こえるのが正しいのでしょうか。
Fantôme
発売日:2016/09/28
価格:¥3,240
ヨシノトレーディング(オープンリール)
Diapason Asteraというブックシェルフスピーカーでしたが、
オープンリールの威力が素晴らしく、低音の厚みは一番でした。
EARの代表の方はいらっしゃいましたけど、今日はいつも試聴会で
獅子奮迅されていらっしゃる方が見当たらなかったです。
レコードと期待していたEARのCDはそこまでよくなかったです。
ステラ&ゼファン(レコード)
欧州で著名なオーディオ評論家として紹介された
ケン・ケスラー氏の公演。
講演の内容は改めて記事にしますが、
- 楽器の数が少ない曲でシステムを判断しよう
- 細かい事を気にせずemotion(感情)を聴こう
- 音の位置に囚われず音楽に集中しよう
最近のハイエンドの闇に染まっている方には
目から鱗な内容ではないでしょうか。
音が細かく緻密だけど魂のない音楽は音楽って言わないんですよ?
わざわざソウル、ブルースと意識して言葉にして音源を選ぶとか、
今の惨状を理解された上で皮肉を込めて言っていますよね。
今回のイベント最良の音源はこちらでした。
コンプリート・アット・ニューポート1956+10
発売日:2014/02/26
価格:¥1,350
Ellington At Newport / Duke Ellington
ジャケットは上のものであっていますが、中身は違うようです。
デモで使用したのはレコード音源、リマスタ盤ではなく原盤の模様。
ライブ録音をモノラル収録、加工はしていないと言っていました。
たった62年前って言っていましたが、1956年だから60年前でしょうか。
モノラル録音なのに圧倒的な鮮度と機微とキレと音の色。
この音源を再生するまで音楽に乗れなかったのですが、
ようやく曲を楽しむことができました。
(私はConstellation audioの音が苦手です)
正直、この音源は圧倒的すぎました。
音楽として大事な物は一体何なのか、
もう一度考え直すべきではないでしょうか。
気にしておきたいブース
マランツ
他のブースのB&Wが色のないつまらない音が出ていたのに対し、
マランツブースはディスクリートDAC搭載のSA-10で、
しっかりと音の色が出ていました。(アンプはクラッセ)
このSACDプレイヤーは今後要チェックだと思います。
予想というか希望が当たって個人的に嬉しかったりします。
LINN
うーん、いかにも加工しましたという音で
鮮度が激減していて面白くなかったです。
LINNはオーディオショウではいつも低迷している印象です。
新型DSの告知をしていたのにお客さんもまばらでした。
Magico
最先端技術(素材)を使ったという触れ込みの日本製品で
酷くないものは存在しないというくらいなのに、
Magicoのこの空恐ろしいまでの音楽性の高さは何なのでしょう。
ただ、音色が暗いのと音がどうしても詰まって聞こえます。
レコード音源でも詰まって聞こえてしまいますので、
やはり爆音で鳴らすことを想定しているのかな。
Dynaudioのように、ウォームアップに時間を掛ければ改善されるのでしょうか?
Panasonic
ここが国産製品の中で一番マシに聞こえる段階で問題です。
ブースがD1といい部屋を取っていましたので、
そこは中の人が意識していたのだと思います。
でも、ここの音はやっぱり加工したデジタルの音です。
AXISS
SELECT DACのよさ分からず。
WilsonAudio(Alexandria XLF)のよさ分からず。
アンプはDan D’Agostinoでした。
ただ、WilsonAudioが結局ソフトドームに戻したという事実を、
国産メーカーの方はもっともっと重く受け止めるべきだと思います。
ツッコミを入れたいブース
ヤマハ
中高域に変な音が出ていて聴いていられませんでした。
アキュフェーズのプレイヤーのせいとは思えません。
チューニングの効果はセッティングの試行錯誤に表れていたようです。
でも、いちばん大事なものが表現されていなければ意味がありません。
どうしてピアノを作っている人を音決めに使わないのでしょうか。
DENON
今までと比べてすっきりな音。
でもボーカルが定位してないのはどうして?
ラックスマン
スピーカーで大きく印象が変わっていました。
AのB&Wの時は面白くなかったですが、
Bのフランコ・セルブリンのAccordoの時はよかったです。
なお、フランコ・セルブリンはアークジョイアが代理店で、
私が今回音がいいと評価したブースの1つです。
フランコ・セルブリン Accordo
http://www.arkgioia.com/accordo/index.html
11/23追加分です
紹介していなかったスピーカーブランドを1つと、総括を書いています。