東京インターナショナルオーディオショウ2015雑感(10/04更新)

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TIAS2015jpg

時間が時間なので余裕ができたら追記しますが、
とりあえずさらっと。

・・・と思ったのですが、ヨシノトレーディングのインプレで
私の鬱憤が駄々漏れてしまったため、そこは話半分で読んでください。

他の方の写真を借りるわけにもいかないし、文字だけです。
雑感だと検索で全くヒットしないので、インプレとか感想とか
レポートとかレビューとか書いておいたほうがいいのかしら。
ちょっと気づくのが遅かったみたいですね。

ここから本題
マランツ(B&W)

B&Wの新型スピーカーD3シリーズは長年続いていたケブラーのザラつきと
中高域の質感の低さがそれはそれは驚くほど改善されていて、
余韻が綺麗に消える様が表現できるようになっていました。
これは相当大きな進歩だと思います。

そして下ろしたてなのに聴いてて耳が痛くないというのも驚き。
長いこと続いていた2つの大きな欠点がようやく改善されました。

空間も柔らかく綺麗に広がるようになっていると感じましたが、
これはちゃんと聴いてみないと何とも言えないところ。
現代ハイエンド機で音が軽く余韻が濁らない機材はほぼ存在しないため、
これで名実ともに覇権を取りそうだなと思いました。

色の表現は薄いのでアナログを鳴らすよりはハイレゾやDSD音源とか、
アップサンプリングした音源を鳴らすのに向いていると思います。

問題の価格の方ですが、10月上旬の発表でざっと6割以上くらいの
上昇になるということです。(まだ確定ではない)
音のクオリティ自体は価格の上昇に見合う内容だと思いましたが、
おいそれと買えなくなる価格帯になるため、どのくらいの人が
受け入れられるのか、その点は非常に興味があります。

人気のある機種(特にスピーカー)のクオリティが上がって
他の機材や音源の問題が分かるようになると、
必然的に全てのものが音質向上するように力が働くため、
是非とも今回のB&Wの新型スピーカーにはその役割を担って欲しいです。

ただ、今までのように安い機材だとまるで鳴らない性質を
今回も踏襲してたら嫌だなーとは思いますが。

太陽インターナショナル

オーディオ的指標で高得点だったのは太陽インターナショナル。
いつものAvalonとdCSとジェフを使った構成でしたが、
綺麗だけど綺麗なだけ、細かいけど細かいだけ、
陽炎のように触れない質量のない音というところでした。

ステラ&ゼファン

ステラ&ゼファンはこういうイベントのデモで超優秀録音のラッカー盤を
再生してくれるので、アナログがどれだけ凄いものだったか知らない人は
一聴の価値があると思います。

今回は金属の音しかしないGIYAと低域がスカスカでアナログの魅力を
堪能するには力不足なトールボーイスピーカーのデモのタイミングでしか
ブースに行けなくて、ラッカー盤を聴くことは叶いませんでした。

ヨシノトレーディング

現代ハイエンドが見ている方向の正反対を向いているのがここ。
ここのデモは音楽マニアが好む音源を使うのでとても面白くて、
初めて知った年はほぼ全てのデモに出没して聞きまくった結果、
メーカーの方に顔を覚えられてしまったくらい私は好きでした。

今回は1インチテープを2トラックで録再する改造ヘッドを搭載した
テープデッキでの再生とレコードの再生を行っていました。
このテープデッキの音はエンジニアの人でも20人聴いていないそうです。

レコード再生の方もすごい高い機材を使っているのですが、
スクラッチノイズなんか気にするな、
音が塊になって解像度は低いけど気にするな、
音場なんか知ったこっちゃない、
アナログの力強く熱い分厚い音を聞け、という感じ。
低周波が目一杯出ているのでウーハーが震える震える。
これだけ目一杯振り切れるとこれはこれでいいと思いますよ?

ただ、スピーカーがTADのエボリューションシリーズだったので
色が表現しきれてなくて音が重めだったのが勿体無かったです。

印象的だったのは、デモをした1インチテープデッキの
保有者である音響エンジニアの方のコメント。
記憶に残っているものを抜粋します。

・デープデッキの音をDSDやハイレゾに落とし込めない。
 (表現できるものが狭くて入りきらない)

・アナログだといくら聴いていても疲れないが、
 ハイレゾやDSDで仕事をしたら2,3日休みたくなる。

・若いエンジニア200人にスピーカーで音楽を聴いているか
 質問したら、2人しか手を挙げなかった。

私が長いこと主張している部分と内容が全部重複しているのがもう。
うん、さんざん音楽を聞いていればそういう結論にしかならないよね、
という感じで。

若いエンジニアさん、または音楽業界に就職したいと思っている方は、
スピーカーで音楽を聴くようにするだけで他のライバルを容易く
出し抜けますので、成り上がりたい人はスピーカーを買いましょう。
ほんと、たったそれだけで世界が変わりますから。

イヤホンとスピーカーの世界の違いがわからないのであれば、
それは才能が無いということです。
大丈夫、日本人の99.999%は私を含めて音楽的な才能はありません。
それでも音楽の仕事をしたいなら10000回聴く修業をしましょう。
それが嫌なら素直に諦めた方がいいです。

私の言う『色が薄い』という表現について補足(9/30追加)

私の言う『色が薄い』というのは、脚色が少ないという意味ではなく、
表現できている音色の数が少ない、色彩感が弱い、
色数が少ない、音色のコントラスト比が低いという意味です。

ここは書いておかないと一見さんに誤解されてしまう。
微妙にズレた表現を使っていてすみません。

その他のブースをざっくりと(10/04追加)

少し時間が経過した後に言いたいことを書くのは私の常套手段です。

ヤマハ

 全てのユニットにZylonを使った新型スピーカーNS-5000のデモ。

 確かに音色は上から下まで統一されてました。
 で?その先は???
 音楽性が表現できていないんじゃ何の意味も無い。

 ついでに音場表現もできていませんでした。
 あの箱の大きさで40度近い内振りにするとか、
 開発側が音の問題点を自覚してるけど上からのコンセプトを覆せなくて
 どうしようもない状態に陥っているという以外に説明のしようがないです。

 あの形(箱の大きさと形、大口径3ウエイ)で空間表現をするのは
 無理なのかもしれません。

アクシス

 あの広すぎる部屋で音質をどうこう言うことは私にはできません。
 天井までの空間が広すぎて高さ方向の表現が違い過ぎます。

アキュフェーズ

 ここはSN比を上げることばかり考えて表情と躍動感が消えるのですが、
 タンノイが意外とそこそこ軽やかに鳴っていました。

ラックスマン

 繋ぎ変えに時間が掛かりすぎてて音が聞けませんでした。

LINN(リン)

 補正する以前の音がひどすぎて評価する価値無し。
 ついでに補正も全部シュミレーターで行うので補正効果が弱いです。
 正直言ってヤマハとパイオニアの6年以上前のAVアンプに負けてます。
 音場表現が全くできていませんでした。

 ここはデジタルプレイヤーと他の製品のクオリティに差がありすぎです。

アブサートロン

 軽やかに鳴っていた数少ないブースの1つ。
 しかし、トータル2000万でこの音では厳しい。
 注意)デジタルプレイヤーの価格を忘れてました

ユキム

 ELACのブックシェルフが小音量で軽やかに鳴っていました。
 ELACは少し癖があるので手放しで評価はできませんが、
 一度聴いてみるのは有りだと思います。

 買う前に大音量時でどう鳴るかはチェックしておきましょう。

DENON(デノン)

 DENONの音でした。
 もうそれ以外に説明のしようがないです。

エレクトリ

 Magicoの音が暗くて。
 (余韻が出ない、機微が見えない、音が詰まってる、音色が暗い)
 ここのスピーカーは鳴らすのが相当大変だと思います。
 爆音でオケを聴く人向けに特化したスピーカーという印象があります。
 爆音であれば上記の問題点は全て解消されます。

 MERGINGのHorusとPyramixはDSDレコーディング環境で猛威を
 振るっていますが、MERGINGのNADACという民生向けネットワーク
 プレイヤーが今回初お披露目でした。
 しかし、音がMagico色に染まっていて評価不能でした。

キソアコースティック

 吸音材を使っていないので容積の広い部屋で伸び伸び鳴らすと
 今時のスピーカーでは出ない音がでるのですが、今回は残念でした。
 近接するとどうしてもユニットの音の安さが出てしまいます。
 いい悪いじゃなくて、安いとしか表現できません。

 小売価格は同じままでユニットにもっと適切なものを使っていれば、
 世間の悪評を覆す音が出たかもしれないのに。

TAD(テクニカル オーディオデバイセズ ラボラトリーズ)

 デモに使う音源をもっと考えたほうがいいです。
 自社製品に合わない音源を選ぶとかどうかしてます。
 この状態はAVフェスタ2004から11年も続いているのですが、
 これは一向に中身が進歩してないという意味で取られかねません。

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『東京インターナショナルオーディオショウ2015雑感(10/04更新)』へのコメント

  1. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/09(金) 04:23:49 ID:f5c0505df 返信

    2日目に何とか時間を作れたので、一時間弱の試聴を試みました。
    フューレンのOCTAVEを少し、TAD、TIMEROAD、ヨシノトレーディングなどです。
    そもそも、人が多くいる空間が駄目な私は、卒倒しそうになりきちんと聴けませんでした。
    そう言う経緯からとても有難いレビューです。
    OCTAVEはHP700が目的だったのですが聴けず仕舞い、CHORDのDAVEが気になったTIMEROADについては、DAVEの音を抜きにしてみれば昨年の方が良かった様に思いました。
    DAVEはつい期待してしまいます。
    繋ぎ換えや評論家待ちで聴けないブースも多く、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/10(土) 08:04:07 ID:5b3043278

      今回はB&Wのスピーカーの件があっていつもより人数が多かったと思います。
      混んでいないのは金曜日ですが、平日に行くのはなかなか難しいですし。
      改めてゆっくり聴けるといいですね。

  2. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/10(土) 20:53:42 ID:3f471ec8f 返信

    お返事有難うございます。
    知り合いの話に出てきたのですが、B&Wの品はギリギリで本国から到着したのでまだ未熟な音で難しい状態だったとの事です、日本は軽視されているのだろうとの発言もありました。
    この次のプレスを呼ぶ時には万全な体制で望むので、期待していて欲しいと言っていたそうです。
    価格からも感じるのですが、余り多くの人達に売る気は無いのかも知れないと感じました。

    CHORDのDAVEのリポートも拝見したかったのですが、TIMEROADのレビューが無いので余り印象に残らなかったのでしょうか。
    人の多い所は本当に駄目で倒れてしまうので何時も避けているのです、ヨシノトレーディングも凄くて直ぐ出てしまいました(汗)

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/11(日) 13:12:10 ID:de6f0aef8

      あの音で未熟というのは正直驚きです。
      次に聴くのがとても楽しみになりました。
      ただ、日本で物凄い数が売れているのは間違いないのに、
      それでも軽視されているのだろうというのはちょっと気になります。

      TIMEROADさんはタイミングが合わなくて残念ながら聞けませんでした。
      聴く機会がありましたらまた記事にしようと思います。
      ヨシノトレーディングさんは人が外に溢れるほど盛況だったため
      デモが始まる前に席を確保して待っていました。
      ほんと、ここのデモは毎回楽しくてとても良いと思います。

  3. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/11(日) 21:58:19 ID:5fb587c3b 返信

    今後はヨシノトレーディングのデモ逃さない様にします、音楽が楽しい経験、久しく無いので有難い情報です。

    B&Wの「音が未熟」との発言は信憑性のある話で、中枢の方の発言との事です。
    関心の音を私は聴いていないので残念な思いですが・・・
    「日本が軽視されている」と言うのはその方の主観的意見ではありますが、大規模なショーにギリギリのタイミングで納品されれば、ディストリビューターがその様に思うのも仕方が無い気がします。どの国のマーケットや意見を大事に考えるかは、インポートの商品の場合、販売数に関係が無い事もあるように感じられる時があります、どことは言えませんがヨーロッパは特に。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/12(月) 21:26:56 ID:5203e8e8a

      ヨシノトレーディングさんは来週末のオーディオ・ホームシアター展にも参加されます。
      昨年までは割と楽に席に座れたのですが、今年はどうでしょうか。

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