DACチップで拘るべきはスペックではないと思う

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Wolfson WM8741

少し前のオーディオと音楽性の記事を書くきっかけとなった
Innocent Keyさんの記事にDAC関連で面白い記事がありまして。

そちらの記事を紹介しつつ、DACチップで拘るべきはスペックではなく、
出音の方にこだわるべきと思う私の見解を書いていこうと思います。

なお、この記事はデジタルプレイヤーの音にのみ焦点を当てています。

記事の公開が大分遅くなったのですが

この記事の主題をどこに置くか悩んでいた時にInnocent Keyさんが
DACの記事を追加で公開されてしまって本当に参りました。
私の記事は感覚が全てのローテクな力技ばかりで
全く太刀打ちできなくて、もうどうしようかと。

で、結局開き直るという方向で割り切りました。

Innocent Keyさんの記事に少し付け加えたい

コンデンサ山盛りの音をどうにかしようよとデジタルプレイヤーに
特化されて書かれているのですが、ここについては私も同意見です。
DACに限らず、プリやパワーや音源すらも、全てこの低音を良しとする方向で
調整して音楽を台無しにしているので、いい加減止めてくれと思っています。

生演奏の低音の速さを知らないとこの感覚は絶対に分からないので、
オーディオ的低音を忘れるためにコンサートに通うことをお薦めします。
この感覚を会得しますと、80年代のスッキリとした軽い低音で
纏められたCD音源に衝撃を受けますよ。
デジタル編集した音源はほぼ例外なく音が重くて耳が辛いです。

日本はいつの時代も木を見て森を見ずの意識が強すぎます。

Innocent Keyさんの記事を紹介しつつ、個人的な見解を

記事1:音の良いDAC、インターフェース

音の良いDAC、インターフェース
http://innocent-key.com/wordpress/?p=2302

こちらの記事を見て驚いたのは、私と音の好みが大きく異なるのに
私がいいと評価したDACがランクインしていることなんですよ。
つまりそれって、好みを超越した良さがあるということなので。

そのDACとは、

・Lavry Engineering DA924
・THETAの古いDAC

この2つです。

Lavry Engineering DA924

DA924を普通で特徴がないと言ってしまうのはどうなんだろうとは
思ったのですが、分離の良し悪しなどが全然気にならないとあって
オーディオ的指標で評価できない機材と暗に見えますので、
実は最大限の評価をしているのかなと感じました。

私は音自体には癖がある方だと思っていますが、マイナスに感じる
癖がほとんどないことと、圧倒的な音色のよさと滑らかさと
低域の安定感が魅力なDACだと思っています。
DACの特性を維持するために恒温槽内蔵で熱くなるのが欠点です。

DAC924について軽く触れた記事はこちら
http://purepure.wp.xdomain.jp/archives/281
http://purepure.wp.xdomain.jp/archives/1540

過去ブログに詳しく書いてあったのですが、
今はもう見られなくなっています。

THETAの古いDAC

THETAのDACは測定値は悪いけど音はいいと書かれてます。

このTHETAのDACは古いDACを片っ端から聞いて回っていた時に
偶然出会ったDACで、こんなものが数万円で買えてしまうなら
現行のミドルクラスまでの製品はとても太刀打ちできないと
書いたのですが、これも過去ブログか・・・。

もちろん古いDACなので情報量や解像度は知れてます。
でも、大事なのはそこじゃないんですよ。

記事2:DACチップの音質差と他の音質変化要因

こちらの記事にも私と似た見解がありました。

DACチップの音質差と他の音質変化要因
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=2563

音の評価で私と同じなのはWolfsonのWM8741です。
どうしても省略できないので丸ごと引用させて頂きます。

WM8741 この中では最下位です。測定特性も最下位なので思い込みの影響も多少あるかもしれません。1-3の条件をほかのDACと揃えても最後まで分離が悪く一線を越えられない印象でした。ですがこのICにはいいところもあって1-3の音質対策を投入していない場合の音色と耳障りでは最も良いでしょう。ゆったりとした独特の雰囲気があって音楽的に優れた一面を持っています。最後の伸びしろはないですが何もしなくても持ち前の独特の魅力があります。物量投入しない時には音が良いDACです。

測定特性も最下位とありますが、音の印象も含めて異論ありません。
しかし、WM8741は私がDACのチップについて調査した時期に
まともな音が出ていた本当に本当に数少ないDAC-ICの1つでした。

私が大切にしている判断基準はいろいろありますが、
素の音がよいものは間違いなくよいというものがあります。
設計で頑張らなくてもいい音になるものを良いと考えるものです。
かつて一世を風靡したTDA1541AやDAC7もそういうDAC-ICでした。

WM8741はオーディオ的指標で見れば大きく見劣りするDAC-ICですが、
デルタシグマDACとは全く思えない質感の良さと音の違和感の無さを
兼ね揃えています。デルタシグマDACなのに私がデルタシグマの歪を
感じない、唯一のDAC-ICでもあります。

なお、このWM8741は私が高く評価しているLINN AKURATE/DSや
Lumin A1に搭載されているDACチップでもあります。

「素の音がよいものは間違いなくよい」の一例

こちらの記事に少し書いてあります。
http://purepure.wp.xdomain.jp/archives/3024

引用します。

今は無き石丸秋葉原本店の試聴用の防音室に置いてあった
SS-AR1の音の悪さはそれはそれは酷いもので。
<一部省略>
それでも曲は楽しかった。面白かった。
音の圧倒的な質感の高さが欠点を全く感じさせなかった。
こういう音がするスピーカーをいい部屋で正しくセッティング
すればどうなるか、そんなことは火を見るより明らかです。

いい機材というものはどんなに酷い状態で聞いても必ずよさの
片鱗を感じることができるものだと、そして、どんなに設計を
頑張っても素の部分はなかなか変わるものでは無いというのが、
いろいろ視聴してきた私が思っている印象です。

DACチップの音と出音の印象がかなり違うものをいくつかご紹介

DACはチップの音がどうしても出音に乗るものですが、
チップの音とDAC本体の音の印象が違う機材について
ぱっと思いついたものを挙げてみました。
私の個人的な感覚なのでこれが正しいとは言いません。

・LuxmanのD-06u、D-08u
・アキュフェーズ DC-37
・LINN CD12
・CH Precision C1

LuxmanのD-05uはTI製のチップの片鱗を感じますが、
上に挙げた2機種はPCM1792Aの片鱗を欠片も感じません。
アップサンプリング系の処理は、チップの素の音から
大きく変わるといういい例だと思います。

アキュフェーズのDC-37もES9018系独特の違和感を感じません。
それが故に私の中での評価は高いのですが、そういう機材は
いつものように世間の評判があまりよくないようです。

LINNのCD12は耳あたりと質感にマルチビットの雰囲気を強く
感じるのですが、PCM1704ってこんなに質感良くないんですよね。
そこまで音の色がでるチップでもないのに質のいい七色で描かれますので、
開発陣の技術力とセンスの高さと耳のよさが伺えます。

CH Precision C1もPCM1704搭載していますが、こちらは
マルチビットの気配があるだけでチップの音はほとんど感じません。
高域に少しだけ神経質なところが見えることがあって、
そこだけはPCM1704の癖に近いかなと感じるところがあります。
なお、私はDACのC1よりもプレイヤーのD1の音の方がずっと好みです。

私がES9018のDACチップに興味を失った出来事について

私の視点が正しいかどうかは分からないのですが、
スペック至上主義の考え方に一石を投じる意味で書いておきます。

私はAKURATE/DSを聴いてES9018に対して興味を失ったのですが、
そのAKURATE/DSについて少しだけ触れた記事がこちら。
http://purepure.wp.xdomain.jp/archives/1160

少し引用します。

オーディオとしてのクオリティは全然低いですが、
明らかにこちらが音としてまとも。音楽としてもまとも。
比較にならない。

少し前のデジタルプレイヤーは音がおかしい製品が本当に多かったので、
こういう視点の評価がもっと出てくるかなと思っていたのですが、
なかなかこういう意見を見ることが無くて。

記事を書いた頃はES9018の登場で業界が騒いでいた時期でしたが、
AKURATE/DSに出会って以降、私はES9018搭載機の視聴を止めました。
そのくらいDACのチップには決定的な出音の差があるのですが、
どうしても分かってもらえなくて。

引用した部分は、ES9018のような高性能DAC搭載機と比較して言っています。
あの頃はあまりにもまともな音の出ないDACばかりで
本気でウンザリしていた時期だったため、驚いたんですよ。

別の機材の視聴の際にたまたまAKURATE/DSが横にあったので聞いてみて、
最初はこれ随分クオリティ低いなという印象だったのですが
よくよく聞いてみると音が極々普通で正しい表現をしていて。
音源の差もよく出るし、この時視聴目的だったDACはさっさと判断を
終わらせて、残りの時間はAKURATE/DSを使って音楽を聞いていました。

LINNのCD12を発掘した時も、本来の目的だったESSチップを搭載した
300万ほどのセパレートプレイヤーそっちのけで聞いていましたし、
ES9018というチップはLINNのプレイヤーのよさを私が認識する大きな
きっかけになりました。

LINNのプレイヤーは、LINNのシステムで聞くと音質を全く判断でき
ないのがややこしくて難しいです。
新型のKatalyst DACはしっかりしたところで聞いてみたいです。

私が高く評価する機材の特徴

私が高く評価している機材は、私が優秀録音だと思った
音源のよさがしっかり出るという傾向があります。
この判断ルールをもっと正確に言いますと、
私が優秀録音だと思った音源の良さをちゃんと引き出してくれる
機材を「いい製品」だと身勝手に仮定しているだけです。

そして厚かましくも、そういう特性の機材を「正しい表現」を
しているとこれまた身勝手に仮定しています。
客観的なデータや説得力などは何一つありません。

そんな主観100%で独断と偏見しかないやり方を20数年続けているのに、
一向に例外が出てこないのは何故なんでしょう?
そんな感じなので、私が自分のために機材を評価する時はこのやり方で
十分だと考えています。

逆に、機材の良し悪しを判別する確固たる判別法を、
これ以外の方法で確立できている方がいらっしゃるのでしょうか?

音楽には関係のないオーディオ的指標がずらずらと並ぶ記事は山ほど
見かけますが、それが正しくないのは昭和日本のオーディオ業界が
証明していると思うのですが。

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