【感想】冴えカノGirl’s Side3。３ヒロインの心情が一通り描かれます(6/22更新)

Girl’s Side3を全部読んで思うのは、物語を終わらせるとは
こういう事なんだろうなということでしょうか。
特にラノベは終わらせるのが難しいジャンル？ですし。

答えを知っている人にとっては英梨々も詩羽先輩も恵も
全部分かっていたことだけど、これを普通の人が読んで
なるほどと理解してもらえるかは別なのかも。
・・・と書いていたら、既にAmazonレビューが大量に。

記事の目次

「やめたのは倫也くんを許すこと」

恵のセリフになります。

なるほど、確かに今作はそこが一番インパクトがあります。
お話の流れとしてはこの言葉にそこまで深い意味はないと思いますが。

この色、深崎さんの意図する色じゃないよー。（多分）
公式でツイートした色の方が正しいと思います。
お店で見た時、特典の過去絵の方が力があるように感じて
しまうくらいでしたから。

ちなみに、公式の色はこれ。

なお、挿絵はP.245のがよかったなと思います。
背景に風が吹いて見えます。

私が昨日見直していてそう思っただけなのですが、
１期のコメンタリーを見直しておくことをお勧めします。
冴えカノはレンタルでもコメンタリーが見れますのでお薦め。
３話くらいまで見直せば十分だと思います。

見直すと、１期と２期で恵の変わりようがすごいことが分かります。
１期は確かにキャラが立ってない。
１期の２話と２期の８話の対比は驚くものばかりなので、
１期を見直しておいて損はないと思いますよ？

今までのGirl’s Sideと違って評価が高めなのは、
詩羽先輩の狂気に見える所業と恵の本心の掘下げが
あるからでしょうか。

Girl’s Sideの１と２も下手したら本編より面白かったのに、
Amazonでの評価は酷かったからなー。
アニメの２期を見ているなら、
Girl’s Sideの１と２も面白く読めると思います。

いいなと思った箇所を思い出せなくて、
泣く泣く読み返している自分が居ます。

P.105 詩羽
「そしてあなたも、何もわかってない……
だから二人は壊れたの」

答えは言っていませんが確信をついています。

P.109 ～

倫也の意識が確定したポイントはここ。
読んでいくと、納得できる人が多い気がします。

P.217 詩羽
「今のあなたに泣かれたところで、私にしてみれば、何の感慨もないわね」

詩羽先輩の思考は不思議と私の意識と被るものが多いです。
進行役だからでしょうか？

１と２はラブコメ視点がほとんどなかったですものね。
そりゃGirl’s Side3が評価される訳ですよ。
読み返すまで、その視点で読んでなかったです（汗

原作１１巻で巡璃ルートの本読みを倫也と恵が行っていますが、
あれは本読みと言う名目で倫也を糾弾する恵という構図に見えつつ、
実は恵がただ我儘放題倫也に甘えているだけという場面がありました。

Girl’s Side3でも似たような場面がありまして、シナリオの検証と
いう名目で恵が美知留と出海に尋問される場面があります。
かなり細かく尋問が進んでいきますので、このあたりは
１１巻を面白く読めた恵派の人はかなり楽しいと思います。

恵が一番怒った場面、主人公が英梨々の看病に行くことを
隠していた場面のシナリオ(P.187)のところは、

「嫉妬なの？」（美知留）
「嫉妬なんですか？」（出海）
「違うよ全然違うよ」（恵）

と、こんな感じで尋問されています。

だんだんしどろもどろになっていった恵が最後にキレて
反撃に出る辺りは、もう丸戸さん流石としか。
どのキャラクターに感情移入しても面白いです。

アニメの方であれだけ丁寧にやられたらそりゃ恵以外に勝ち目ないよと
思うかもしれませんが、各キャラクタの行動を１つ１つ振り返ってみると、
恵は勝つべくして勝っただけなのではないのかなと、そんな気がしています。

倫也が特別過ぎる英梨々と詩羽だから倫也に対して踏み込めず、
倫也もまた、英梨々と詩羽が特別すぎたから踏み込めなかった。
でも、恵にとって倫也は普通だったから踏み込めた。
この違いは何とも悲しいけれど、リアルでもよくある構図です。

自分の気持ちに素直になった恵が勝ち、
素直になりきれなかった英梨々と詩羽は勝てなかった。
自分を貫き、最後に空気を読まなかった恵が勝った。

これらのことってリアルの世界でも同じだなーと。
空気を読んでいたら幸せになれない事の方が多いのになって
思うことがよくあります。