はたらく魔王さま! 13巻。キャラクタの心情の掘り下げが相変わらず上手いです

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この作品は日常パートと非日常パートに大きく分かれますが、
和ケ原さんの真骨頂はやはり日常パートだなーと思います。

心情描写が上手いというのはよく聞くことだと思いますが、
和ケ原さんが上手いのは、心情描写というよりは
キャラクターの性格や環境や状況などの背景から導き出される
考え方や行動に、強い説得力があるところだと思います。

きめ細やかな描写も魅力ではありますが、
それ以上にその行動や発言の根拠になるものが
あちこちに散りばめられていることが上手いといいますか。

これってキャラクタの落とし込みが相当できていないと
無理な芸当なので、かなり凄いことだと思うのですけど。

個人的に13巻でいいなと思った部分

台詞を一部抜粋。

p.163 エミリア
「魔王はね、誰にでも優しいのよ。(以下略)」

p.164 エミリア
「魔王が心から大事にしているのは……対等に接したいと思っているのは千穂ちゃんだけだって、千穂ちゃんに分かってもらうには、どうしたらいいと思う?」

この魔王の考え方は私にとって痛いほどよく分かるのですが、
世間一般のいわゆる普通の方はどう感じるのでしょう。

「好きな人に優しくする」というのは今の日本では主流の考え方ではありますが、
これって「嫌われたくないから優しくせざるを得ない」という心理が
透けて見えるため、私はどうしても賛成することができません。
(親が子に与える「無条件の優しさ」とは別物ですよ?)

ま、女性陣や芦屋から見た心情としては、

p.164 エミリア
「そうね。思えば魔王って、千穂ちゃんを大事にしているようでその実大事にされているだけだもんね」

っていう台詞に集約されているのかもしれませんが。

ここの各キャラクターの心理は突っ込んで話してみたいところですね。

はたらく魔王さま! (13) (電撃文庫)
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発売日:2015/06/10
価格:¥637

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