私が推測で書いていた内容が肯定されるイベントが
ありましたので、ざっとご紹介します。
#2016-1101更新 項目を1つ追加しました(目次を参照ください)
記事の目次
一方は音楽家のシステムを聴かせて頂いた試聴会
音楽を求めるということ
音楽家の方はバイオリン奏者とのこと。
システムはタンノイのスピーカーと真空管バッファのDACと
真空管のプリとパワー。
どんなすごい音量にするのかと思いきや、
試聴会としては相当音が小さいと言える音量で、
今回は、普段聴いている音量で再生したとのこと。
音源はオケを何曲かとソロや小編成でゆったり聴かせる曲がメイン。
これは完全に音楽を聴いている人がよく聴く類のもので、
オーディオの試聴会ではまず再生しないタイプの音源ばかり。
私の聴く音楽はそちらがメインなので楽しく聴かせて頂きました。
音源について話される内容も全て音楽のことばかり。
技術的なことは今回は一切話題にされませんでした。
音楽家の方でこの聴き方をされているのであれば、
それはもう間違いようがありません。
音楽が表現できるシステムを欲して、
音楽が表現できるシステムが手元にある、
そんな、当たり前のことなのに出来ている人がなかなかいない、
そういうものがこの試聴会には存在していました。
しかし、オーディオ的指標で見ると評価は一変します
定位が出ていない、音場が出ていない、空間表現も薄い、
高域の伸びも弱い、音が分離せずオケは濁り、
タンノイで真空管ですから音量を上げれば音割れします。
でも、それでいいんですよ。
大事なのは音楽の核が表現できること。
このレベルで核が表現できている試聴会は滅多にありません。
ヨシノトレーディングさんの試聴会は大体表現できていますが、
そんなのは例外中の例外です。
今回の試聴会の音をよしとした方がどれだけいたか、
それは後でちょっと聞いてみたいなと思いました。
音楽の描き方は私のシステムと同じ方向でした
そりゃ聴く音楽も聴き方も求めているものも同じなら、
そうなるのが当然です。
音楽家の方のシステム要件は、長く聴いていられること。
何十回も聴き込まないといけないのに、
長く聴いていられないシステムじゃダメなんですよ。
石のアンプだと聴いていられないということで真空管を選択した
とのことでした。
一方はB&W80xD3を使った試聴会
辛かった・・・
私、もうこのD3シリーズを使った試聴会は行くの止めようと思います。
1つ前のSDシリーズと比べるのがおこがましいほど音楽が面白くないです。
ただ、面白くない音源ばかり続いたイベントの後、
参加者が持参した音源を掛けると描かれる世界が一変しました。
今のユーザーさんはこんなにいい音楽を聴かれているのですね。
D3シリーズは音源にまでダメ出しをするのですか。
メーカーの方を見ると憂鬱になる出来事ばかりしかありませんが、
一転してユーザーの方を見ると決して暗いものばかりじゃない気がします。
昔と違い、横展開される情報が増えているせいか、
確実にユーザーのレベルが上がっていると感じました。
今このご時世に大枚を叩いて機材を買い、試聴会に出向くような人達です。
そりゃ真剣に音楽と対峙している方の割合が増えるのも頷けます。
D3シリーズはリトマス紙として使うべきスピーカーでは?
D3シリーズは上流の問題のさらけ出し方が凄いので
リトマス紙のような使い方をするには非常に使いやすいのですが、
上流の音楽性も幾分削ぎ落とされる分、
相当頑張って聴かないと楽しく聴けません。
今度から15分聴いても大丈夫だったら座って聴くようにしよう・・・。
申し込み制の試聴会に参加すると途中で離席するが難しいので、
そちらは見送る方向で。
参加者の出す空気が不思議でした
音楽家さんのシステムの試聴会の時は音が参加者に溶け込んでいる
雰囲気があり、退屈している気配をあまり感じませんでした。
一方で、B&Wの試聴会の時は音が参加者に染み込まなくて
つまらなそうな雰囲気を感じたのですが、それでも音はいいという
気配が部屋に広がるという、何とも不思議な試聴会でした。
参加者さんの感想を直接聞けた訳ではないので合っているかは
分かりませんが、B&Wの方は違和感ばかりが募る試聴会でした。
さて、どちらを選びますか?
どちらを選んだかを忘れなければ、どちらを選んでもいいと思います。
私は「音楽を聴くこと」を推奨していますが、
音を追求するのも面白いのは事実です。
今、自分はどちらを重視しているのかを考えてみると
いいのではないでしょうか。
やっぱり開発者の音楽の聴き方に問題があるのでは?(11/1追加)
推敲しようと思って記事を眺めていて。
少し上の項目からちょっと引用します。
そりゃ聴く音楽も聴き方も求めているものも同じなら、そうなるのが当然です。
音楽を聴きたいと思う人のシステムの音楽の描き方は、
同じ方向性になると私は書きました。
そこでふと思ったのですが、日本のオーディオ製品の音楽性の削り方、
音楽の鳴らない感じについての方向性がとても似ていると思いませんか?
ということは、
音楽を聴いている人が作る製品は音楽が鳴り、
音楽を聴いていない人が作る製品は音楽が鳴らないと、
音を聴いている人が作る製品は音楽が鳴らないと、
そういうことなのではないかと。
今までどうして国産ばかりこんな酷い音のものが多いのか
理解できなかったのですが、本当に単純に、ただこれだけのこと
だったのではないかと、この記事を書いてそんな事を思いました。