ちょっと前の試聴会の件を書いてなかったので。
最近、アナログレコードの試聴会の開催がかなり増えていまして、
世界的にもLPの売上げの上昇が続いていたりします。
んで、最近のアナログ試聴会の傾向としては、
・ハイエンド(100万クラス)以上の機材を使う。
・歪みの少ない音源を選ぶ。
・LPでデジタル音源に迫ろうと頑張る。
こんな感じのが多かったのですが、
今回の試聴会はかなり傾向が違っていまして、
・とにかく安い機材を使う。
(プレーヤーフルセットで20万くらい、フォノイコ単体で1000円~20万くらい)
・モノラルレコードの時代に録音された音源を選ぶ。(Jazz)
・フォステクスの2way自作スピーカー(板の厚みが20mm以上あるし、
爆音もコントロールしてたし、大変優秀でした。)
こんな感じ。使う機材も鳴らす音源も、
最近の流行とは少し違うところを選んでました。
印象的だったのは、司会進行役の中古レコード販売の店長さんが、
ウチに来るお客とピュアオーディオのお客が
全く被らないって言ってたことですね。
現代ハイエンドの視点から見れば、モノラルレコードは
音場も音像も定位も奥行きもないし歪みも多いと映るだろうし、
モノラルレコードを好む人から見れば
現代ハイエンドは音が前に出なくて鮮度がなく、
音も伸びなければ音色も薄いと映るでしょう。
価値感が違いすぎて両者に歩み寄る余地は無いと見えます。
音が正しいかどうかの判断は置いておくとして、
過去のアナログ試聴会の中で最も面白かったです。
で、音は?と聞かれるとこれが難しい。
なにせ再生したレコードの1/3が歪みが酷くて聞いていられない。
拒絶反応が出ていたのは私だけみたいですが・・・。
歪みが酷い音源は鮮度が原音を超えていて、
圧倒的な音の押し出し感で勝負する音。
元の音と全然違うことは指摘せざるを得ない。
感覚的にはPAを通したJazzライブの音に近いです。
ただ、音をあんまり弄っていないので
演奏の表現がとてもよく見えるのと、
アナログマスタならではの音色感と色彩感が味わえる。
音量も爆音ですよ。94dBは出ていたと思われます。
これで全く飽和しない防音室も凄いですが。
聞き終わって爽快でした。
何時間も聞ける音ではないですが、
快感を味わう音としてはアリだと思います。
現代ハイエンドで聞くレコードは、
半分以上が苦痛で本当に辛かったので・・・。
歪みが苦痛になる現代ハイエンドと、
歪みが鮮度になる今回の試聴会と。
どちらが正しいかなんて分かる訳がない・・・。