『いい音源は良く、悪い音源は悪く再生したい』という考え方について、私のシステムと世間の認識との違い

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原稿用紙で大体7枚分くらいの分量になっています。
長くなりすぎました。

それと、細かく調整する部分が多すぎていつまで経っても
完成しそうにないため、修正途中ですが公開してしまいます。
6日で完成させられないのはどうかと思うのですが仕方がない。

内容に変なところがあってもご容赦頂ければと思います。

あと、この記事を初心者向けとするのは異論が多々あると思いますが、
この内容を早いうちに知っておくとかなり楽になるので初心者向けと
しています。

ペラ紙で説明できるほど、オーディオや音楽の世界は浅くないと思います。

私のオーディオシステムの調整コンセプト

『いい音源は良く、悪い音源は悪く再生したい』

私のシステムは上記のコンセプトで調整しています。
そのため、いい曲だけど音質が悪くて長く聴けないという曲が大量にあります。
世間で売れている機材を使えば聞ける曲が大幅に増えるのは実際に使ってみて
分かっているのですが、そういう機材をメインで使わないのには理由があります。

『音質の悪い音源をそこそこ鳴らす機材でいい音源を聞くとさっぱり面白くない』
『音質の悪い音源がそこそこ鳴ったところでしばらく聴いていると面白くなくなる』

理由は大体この2つに集約されます。
そして、延々と音楽を聴いていたい私にとっては致命的。

過去にこの障壁を突破できるかもと思ったのは、
某600万のプレイヤーと某店の改造機軍団の2つです。
思ったと書いたのは、結局、音質の悪い音源を聴けなかったからです。
(判別しやすい音源を持っていかなかった)

ほんと、大失敗でした。

他の方が想像されるよりは困ってないですよ?

聴きたい曲の音質が悪いものばかりだと音楽を楽しく聴けないだろうと
思われるでしょうが、今の私はそんなに気にしていなかったりします。
その時その時の再生システムの調子に合わせて再生する音源を変えるだけで、
ほとんどの時間を楽しく聴くことができていますから。
これについては、私の選んだ機材の特性がとても大きく影響しています。

そこそこ昔、アンプがTA2020の頃、フェーダーやマルチビットDACを発掘する
以前の私のシステムは本当に大変でした。いい時は物凄かったのですが、
3年聴いて2時間くらいしかそういう状態にならず、鳴らない時は本当に
どうしようもなく鳴らない時間ばかり続いていましたから。

あの頃を思えば、今はもう天国ですね。
たまに不調になりますが、適切に処置を行えば数ヶ月で戻りますし。
『数ヶ月も???』って思われるのが普通なのかな?
調整に失敗して音が崩れると、全く同じ状態に戻しても音は戻らないですよ?

音の傾向は、おそらく想像されているものと大きく違う

音の傾向も印象も2年前に書いたこの記事の時と変わっていません。

私のシステムの音を書いてみたいと思います
あんまり書いていなかった気がするので、 ブログが変わった契機にいいんじゃないかと。 ま、オーディオ用語はほとんど使えないと思いますが。 ...

私のスピーカーは最近の解像度重視のものと違ってソフトドームです。
なので、ヘッドホンで分かるような細かい部分は全然表現できていません。
それでも音楽の大事な部分を表現できるように調整しているせいか
解像度に不満を覚えることはありませんし、楽しく聴けています。

いいものは良く悪いものは悪くと言うと粗をくまなくさらけ出すという
イメージがありますが、圧縮音源でも128kbps以上なら十分聴ける程度に
ゆるゆるですし、ここの塩梅を伝わるように説明するのは難しいです。

その代わり、音源の違和感の表現については相当厳しいと思います。
私がこの部分についていくら説明しても、ほとんどの方に
分かってもらえないくらいですから。
さらけ出す粗の種類が一般的に思われているものと違うのだと思います。

いい機材に替えたけど音楽が面白くない、とはちょっと違う

『いい機材に替えたけど音楽が面白くなくなった』という、
世間一般でよく聞く悩みと私の悩みは似ているようで大きく異なります。

こちらの原因は、金額とオーディオ的性能は高いけど音楽性が低い機材に
変えたから音楽が面白くなくなったのではないか、と私は考えています。
この『オーディオ的性能』と『音楽性』を個別で評価できるように
ならないとハズレの機材ばかり掴むことになると思うのですが、
まあ、こんな主張をしているのは私だけらしい。

日本製の機材は特に『音楽性』が低いものが多いので大変です。
どうしてよくもまあ、何から何まで音楽性を削る方向に調整するんだろうと
思うくらい酷い機材が多いのが本当に不思議です。

多くの開発者が音楽性の有無を知覚できていないだけなら
機材の音楽性があったりなかったりするのは自然なことですが、
こうも目一杯音楽性が無い方に偏るということは、
何らかの差は知覚できているということを意味しています。
音楽性の有無を知覚できているのに音楽性を伸ばす方向に
調整することができていないから、不思議なんですよ。

ちなみに、海外製の製品は『音楽性』がそこそこ以上のものばかりですが、
工業製品として基本水準に達していないものが存外に多くて大変です。
いろいろ難しいですね。

『音楽性』だけを見れば、日本の四大オーディオメーカーだと私が勝手に
思っているデノン、アキュフェーズ、ラックスマン、マランツは、
視聴した限りある一定のレベルを大体確保していると思います。
ただし、各メーカーの色を許容できるかどうかは別問題です。
色が嫌なら無個性に振った製品の方が合うでしょう。

このあたりは個人差が本当に大きい部分なので、
どういう音が好きなのか自分で調べていかないと難しいと思います。

『いいものは良く、悪いものは悪く鳴る機材』と
『音楽性の高い機材』って相関はあるの?

うーん、どうでしょうか。

私が聴いたことのある機材の範疇では、音楽性の高い機材の中でも
いいものがよく鳴るものとそこそこまでしか鳴らないものがある、という感じです。
なので、『相関があるか?』と聞かれれば『無い』としか答えられません。
両立する製品をしらみつぶしに探し続けるしかないのが現状かなと。

別にそんな限界まで詰めた製品以外はダメだと言っている訳ではなくて、
製品を評価するにはいろいろな軸で判断しよう、
コストパフォーマンスが全てではないし、
音楽性が全てではないし、
オーディオ的性能が全てではないし、
いいものは良く悪いものは悪くというのが全てでもないよ、と言いたいだけです。

全ては、バランスの問題なのですから。

バランスって本当にとても大切だと思いますよ?
世間ではオーディオ的性能ばかり注目するから変なことになるだけだと思います。

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『『いい音源は良く、悪い音源は悪く再生したい』という考え方について、私のシステムと世間の認識との違い』へのコメント

  1. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/09/14(月) 23:37:32 ID:50311666c 返信

    大変興味深いお話で、共感する点も沢山あります。
    国内のメーカーが音楽性を追求しないのは私も意図しての事と思います。
    社内をお偉方を『音楽性』では納得させられないと聞いた事があります。
    基準が曖昧な分野に余りを踏み入れたく無い、そして市場が求めるのはオーディオ的性能と考えているからだと感じています。

    オーディオシステムの状態に合わせた調整のコツを伺ってみたくなりました。
    私はこの辺が不得意なのです。
    所有しているのは同じくdynaudioでソフトドームですから、解像度を持たせるセッティングに関心があります、どの様にされているのでしょう?

    『音楽性を大事にする機材』と『音源に忠実な機材』に相関性は無いのかも知れないと私も感じるのですが、ampについてはspectralは例外に思っています。
    dynaudioも近い所にある気がしますが如何でしょうか?

    • 名前:purepure 投稿日:2015/09/15(火) 20:45:30 ID:1bb6c9c42

      解像度を維持する方法は他の方の参考になるかもしれないので
      別途記事を書きたいと思います。

      spectralとdynaudioの方ですが、仰るようにspectralは非常に高い次元で
      両立している数少ないメーカーだと感じました。
      残念ながら私の方ではちょっと問題が発生して導入できませんでしたが。
      dynaudioも、focusが登場する以前の製品や、
      現行のConfidenceシリーズは両立していると感じました。

      この記事はアンプやDACを思い浮かべながら書いていましたが、
      スピーカーで考えてみると意外と両立している製品が多いような気がします。
      アンプやDACは技術革新が進んで音質を向上させるのは限界に来ていると
      いう話をよく聞きますが、実は進歩しているのはスピーカーの方で、
      アンプやDACの方が遅れているのかもしれません。

      そんなことを感じました。

  2. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/09/21(月) 11:29:59 ID:417b966c3 返信

    そうですね。
    確かに両立したモデルはスピーカーに多いかも知れません。
    昔ampにはあまり重点を置いてなかった時期がありました。
    基本は信号を正しく増幅するだけの品だと思っていた為です。
    今もポイントはそこなのでしょうが、疎かに出来ない機材と感じています。
    音の素性を定める様な役割もある気がします。

    ところで、dynaudioはcofidence・sp25・crafftの音を知っている程度ですが、今のモデルは仰る程に悪くなっているのでしょうか?
    そうであれば、中国資本が悪い影響を与えているのかも知れませんね。
    今後は記念モデル(sapphireなど)はあまり期待出来ないのかも知れません。
    sapphireと言えば、cofidence C2とはトール型と言う点で似たモデルにも関わらず、キャラクターが違った記憶がありますが、ご視聴された事はありますか?
    感想を伺いたいものです。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/09/21(月) 18:59:37 ID:83a64b282

      注意)すみません、Focusの発売時期を間違っていました。
         後日修正します。他にも細目修正予定です。
         Focus110は聞いたことないかもしれません。

      いいアンプ探しについては私も長い長い旅になりそうです。

      > 今のモデルは仰る程に悪くなっているのでしょうか?

      これについては上手く説明できる自信がないのですが、
      ざっくりまとめますと、

      ・Focusは一度もいいと思ったことがない。
      ・新Contourも一度もいいと思ったことがない。
      ・Confidence C1も、初期のC1は悪いとは思わなかったが
       いいとも思えなかった。C1MK2以降はいいと思えるようになった。

      という感じです。

      Audienceの生産終了後、2007~2008年以降の製品に
      どうしても馴染めないものを感じていました。
      ですので中国資本が入ってからの問題ではないと感じています。
      sapphireは2007年発売なのでギリギリ旧製品のよさを
      継承していると思うのですが、私自身は音を聞いたことがありません。

      上記の製品達ですが、『音が悪い』というのとはちょっと違っていまして、
      単純に聴いていて楽しくないと感じました。
      Contour S1.4 LEの視聴記事でも同じような事を書いています。

      細かく分析する気が失せるほど楽しくないのですが原因が分かりません。
      よく鳴っている個体であれば評価は反転するかもしれませんが、
      Dynaudioは上流にいい製品を使うデモが少なくて、
      未だにそういう機会に出会っていないという感じです。

  3. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/09/22(火) 04:17:28 ID:e43baebd2 返信

    Confidece C1初期とC1MK2の違いを強く感じ取られるとは良く聞き込まれたのですね。
    ボイスコイルやネットワーク変更の影響なのでしょうか。

    C1とC2の違いは低音の量感でやはりC2に豊かさを感じましたけれど、C1、C2は音質や音色は同一線状の良く似たものと言う印象でした。
    sapphireは別物、そんな風な仕上がりで、美しいエンクロージャーの造形は魅力的でしたが、音質面ではC2の方に好感を持った記憶があります。
    どうもユニットの数から繋がり方やバランスが気になっているようです。
    低域の量感とユニット数の関係や、ユニットサイズから来るスピードを気にすると複雑になってしまいますが、私はシンプルな方が好みの様です。

    dynaudioは視聴出来るショップが減ってしまって(新富町のお店は踏み込んだ事がありません)ここまでのお話はなかなか伺えないので貴重です。
    大変興味深い考察、有難うございました。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/10(土) 08:34:04 ID:5b3043278

      私はC1とC4しか聴いたことがなく、C2とsapphireは未視聴です。
      新富町は上流の機材に制約があるため特約店での視聴の方がいいと思いますが、
      東京圏でちゃんとした環境で聴けるのはカマニさんかSISさんくらいでしょうか。
      もう1、2店くらい特約店が増えてくれればいいのですが。

  4. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/09(金) 04:54:23 ID:f5c0505df 返信

    投稿名をdanzalunaticaとする所をlunaticdanceと記載してしまいました。
    間違いを訂正をさせて頂きたく思います。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/09(金) 20:15:46 ID:0ba2e8634

      ご指摘ありがとうございます、修正しました。
      コメントの補足とか返信は相変わらず遅くなっています。
      すみません。

  5. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/11(日) 22:26:43 ID:5fb587c3b 返信

    そうですね、DYNAUDIOを試聴出来るお店は少ないですよね。
    仰る通り増やして欲しいです。
    しかしDYNA JAPANの方針は逆で、特約店を増やす事は考えていない様子です。

    過去に、ダイナでも打診したようですが断られたとの事です。
    他のスピーカーと比較されるのが嫌なのだろうと伺いましたが、私は寧ろ販売に対する考え方や、機材の組み合わせの指向の違いでは無いかと思っています(ダイナは個性の強い物同士を組み合わせる傾向を感じます)

    所で、私は未聴のC4ですが、如何でしたか?
    リスニングポイントが高くなる気もします、鳴らしやすさはC1でしょうか、質の違いが気になります。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/12(月) 21:24:43 ID:5203e8e8a

      C4の印象ですが、正直いいとも悪いとも言えないです。
      DYNAUDIO JAPANのデモで4回ほど聴きましたが、
      私の印象はポテンシャルをほとんど出せていないというものでした。

      音楽が楽しく聴けるかどうかも正直よく分かりません。
      楽しくもなく面白くなくもなくという感じで、
      今までの製品とは違う意味で評価できない感じでした。

  6. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/13(火) 02:18:13 ID:aadafad4d 返信

    感想をお話し頂いて有難うございます。

    判断に困る評価出来ないスピーカーだったのは、残念な事です。
    一時期までC1も余り良いと感じなかったと言うレビューをこちらで拝見した記憶があります。
    同じく上流の影響か、MK2へのモデルチェンジによるものか気になります。
    その時のエピソードや、その後の感想など伺えたら幸いです。

    • 名前:purepure 投稿日:2015/10/15(木) 21:56:46 ID:ccf113322

      初代C1はいろいろなところで聴いたのですが、音楽に惹きこむ力がなくて
      上流の機材の問題というよりは製品の性質かなと思いました。
      それがMK2やSignatureになって音楽性が急に戻ったので不思議でした。
      なお、代理店のお話によると、MK2,Signature,Platinumの内部は
      変わっていないようです。

      あと、具体的に音の何が変わったかと聞かれると困ってしまいます。
      並べて比べていないというのもありますが、初代C1が個人的に
      残念すぎて音を覚えていないため答えられないです。

      ですので、中古で初代C1を見かけたら聴いてみようかなと思っています。

  7. 名前:danzalunatica 投稿日:2015/10/17(土) 11:46:51 ID:428bb8220 返信

    お返事有難うございます。
    初代C1について印象に残らなかった原因は、内部ネットワークなどの問題なのでしょうか?
    たしかMK2の大きな変更点は、ネットワークだった気がします。
    他は小幅に、ツイーターがコーティングが変わった新型へ、ウーファーのボイスコイルも強化されていたでしょうか。
    私は初代を殆ど聞いていないので参考になりました、本当に有難うございます。

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